2016年07月23日

卸売業の役割とは何か

卸売業は、メーカーサイドから見た販売会社であり、メーカーの規模が小さい場合、自社で販売網を構築するのが難しい場合、沢山のメーカー商品を扱う卸売業に販売を依頼することになります。メーカーから見れば、大きな金額の取引が見込まれない一顧客に小ロットで販売する場合、自社でカバーするのが難しくなります。知名度を上げるため、テレビで宣伝し、後は他のメーカーの商品も扱う卸売業に販売してもらう方が効率的で、自社の商品だけを扱うために営業マンを雇うのはコストもかかってしまいます。


ここで先日ある方が、「メーカーと小売業が直接取引すれば卸売業はいらない。商品価格が高くなるからだ。」と言うのです。果たしてそうでしょうか。


卸売業がやっている業務は、商品仲介に付随する様々な業務を行っています。それは、ロジスティクスとマーチャンダイジングです。


ロジスティクスは効率的な物流で、ローコストで精度が高い物流のことで、ただ単に配送ということではなく、製造者と消費者との間の在庫をコントロールし、ロス率、ミス率を下げるということです。


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画像のように、両者が直接に取引をするとしたら、流通のための経路は上図ように増えてしまいます。しかし、卸売業を経由すると下図のように経路が減ります。


中間流通を経由することで経費がかかったとしても、集積と分散により、それを上回る効率化が図れる訳です。「メーカーと小売業が直接取引すれば卸売業はいらない」と言うのは、余りにも短絡的です。


そして、マーチャンダイジングとは、ターゲットに、何を、いくらで、どのように提供するかを決定することです。すなわち、設定したターゲットに対し、@提供物の品揃え(仕入・在庫)を決定A価格を決定B販売形態を決定することです。直接ユーザーから注文を受け、翌日に届ける仕組みを構築し、販売領域と品揃えの拡大、専門性強化と低価格化を同時に進めることで、法人向け文具通販市場でエージェント制度を活用し、成長を維持しているアスクルがそうです。


日本に卸売業は、265,312社(平成26年度経産省商業統計産業分類細分類別の事業所より)あります。


これが非効率的で、商品価格が高止まりする原因であるならば、卸売業者が介入しない流通が増えてきてもいいはずです。しかしながら、今のところその兆候は見られません。


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2016年07月14日

連絡は早くするに限る

最近開発された、新商品があると取引銀行からのご紹介。


そこでタイミング良く、その商材の導入を検討してみたいと言うお客様がいたので、早速取引銀行に連絡する。銀行担当者曰く、「その商材を持つ会社の担当者から、ご連絡するように申し伝えます」まではよかった。


しかし、26時間以上経過した今でも担当者から連絡は無い。痺れを切らし、取引銀行に電話したが、先方には連絡する旨を伝えてあるとのこと。間違いなく業者側に連絡は入っているようだ。


そこで私は、先方から未だに連絡が無いと伝え、同時に、代替商品で間に合わせることが出来たと断りを入れる。


このレスポンスの悪さはどうだろう。新商品を開発して、販路拡大をしたいと銀行に相談しているのではなかったのか。たった一本の電話連絡で済むのに、あー勿体ない。



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2016年07月11日

規制改革に賛成です。

つまらない、業界内の話です。


内閣府より、「規制改革に関する第4次答申〜終わりなき挑戦〜(平成28519日)」の答申が発表されています。この答申で、時代に適合した規制の在り方を模索し、実現することにより国民生活の安定・向上 及び経済活性化への貢献、並びにそれらを通じた国の成長・発展を図ることこそが規制改革の目的となっています。過去には、一定の役割を果たしてきた規制ですが、制度の疲弊や近年の社会情勢にそぐわない規制もあります。


これは、私どもが携わる、廃棄物処理についても言えることです。特に本当に必要なのだろうかと思うのが、産業廃棄物の県外搬入に関る事前協議制度です。これは、都道府県を超えて産業廃棄物を搬入する際には、事前に自治体と協議を行うことや届出などを義務づけているというものであり、一般的に「事前協議制度」と呼ばれています。こちらは、自治体ごとにルールが定められており、法的拘束力もあります。


しかし、私はこの規制必要ないと思っています。書類の作成が面倒なのは勿論ですが、そもそも、産業廃棄物が都道府県を超えて広域的に処理することは、むしろ加速されるべきものではないのでしょうか。


法律で越境の規制は無く、適正処理やリサイクル化の推進から見れば、広域的に処理する事の方が望ましいと考えます。法の基準に則り許可を与えられた、財力や技術力がある業者に委託するのは、排出事業者にとって正当な行為であり、広域的に処理が行えると適正な処理が加速されると思うのです。そもそも、事前協議制度導入の動機として、「県外搬入される産廃量の把握」「県内処理会社の不適正処理の防止」「他都道府県との横並び」などが考えられますが、果たして本当に機能しているのでしょうか。私には、必要の無い事務手続きを強いられているだけにしか思えません。


事務手続き上のコスト負担や、承認されるまでかかる日数も自治体によって温度差があります。これは、いただけません。ある県は承認されるまで一週間以上かかり、ある県は排出事業者自ら届出に行かねばならず、ある県は郵送だけで受理してくれます。この事務手続きにかかるコストや人的負担は相当のもので、この制度があるお陰で、民間業者の事業活動の活性化がスポイルされているのではないでしょうか。


そして、「不適処理を防止する」と言いますが、その効果について疑問が残ります。都道府府県別に発生した不法投棄事案件数を調べてみると、本制度を採用している自治体だからと言って、決して少なくないのです。データを見ると、規制による抑止効果が働いていない事が伺えます。


さらには、収集・運搬業の許可取得にも同じことが言えます。47都道府県ごとに許可申請(積替え保管を除く)を行いますが、本社・本店を登記している都道府県一箇所のみの許可があればいいのではないでしょうか。


これでも、平成23年4月1日に合理化されており、合理化されるまでは政令指定都市を含むため、109の申請が必要だったのです。いくら合理化されても、まだまだ47は多い印象です。許可申請時の審査だって、同様の事務手続きを行っているだけではないですか。許可を取得しようとする業者が、許可申請時や更新時に負担する費用も馬鹿になりません。


「そんなことしたら、不適正な処理が横行する」「都道府県毎で監視できるから安全である」などの意見が聞こえてきそうですが、排出事業者が搬入先に出向き、契約時に確認すればいいだけです。マニフェスト制度もありますし、本当に不安なら、抜き打ちの追跡調査だってできます。不適正な処理が行われているか否かの監視だって、本社・本店所在地を管轄する自治体がやれば十分です。


どうしても不安なら、毎年許可業者に実績報告書を提出させているのですから、その膨大なデータを共有すればいいだけの話です。そもそも、廃棄物処理の不適正事案が後を絶たないのは、今のシステムによる指導・監視体制が万能でないことの証ではないでしょうか。


いえ、それ以前に排出事業者責任が伴いますから、最後まで監視するのは排出事業者です。いくら許可があるからとはいえ、それは法の基準を満たしているから業許可が与えられた訳であり、その後に信頼性の高い処理を行うかどうかは、別次元の問題です。財務状況の確認もその基準の一つですが、最後まで監視する責任があるのは、委託した側であることは言うまでもありません。


それに、規制緩和したからと言え、全国的規模で営業は行えません。ホールディングカンパニーにすれば可能かもしれません。しかし、それ以外は、コストプレッシャーがあるから考え難いでしょう。例えば、滋賀県から北海道まで出向き、廃棄物を運ぶなんて現実的ではありませんよね。他社との競合がありますし、適正なコストで経営が行える地域に収斂していくはずです。


今回の答申で、「成長戦略の鍵、国民にとっての多様な選択肢の提供」だと言うなら、もっと踏み込んだ議論をして欲しいものです。


ここで、パーキンソンの法則にある、「役人は互いのために仕事をつくりあう」を思い出しました。過剰な規制は、国の潜在的GDP成長率がマイナスに働く要因となります。2000年の夏にカリフォルニア州で起きた電力危機のように、規制により住民の生活に大きな支障をきたす事例もあります。あなたの業界にも、疑問に感じる規制はあるはずです。

posted by ヨッシー at 08:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記